真夜中のコンビニ礼讃。

 
深夜に、買い出しも不十分なまま、山に向かうことができるのは、ひとえにコンビニエンスストアのおかげです。
そして、忙しさにかまけ、準備が不十分なままコンビニをあてにして山へと出発する私は「確信犯」です。

寝静まった家々のあいだをすり抜けるように車を走らせながら「果たしてこんな知らない道沿いにコンビニはあるのだろうか?」という不安にたっぷりとさいなまれたのち、前方にコンビニのあかりを見つけたときは、実際ほっとします。

店内に入ると、眠くなっていた頭があまりにも明るい照明で一気に覚醒します。
そして思います。
「ほんとうに助かった。でも、これでいいのだろうか」と。

虫が鳴く音だけが聞こえるような真夜中の見知らぬ場所でたどり着いたコンビニは、エドワード・ホッパーの絵「ナイトホークス」のように、鮮やかにリアルでありながらどこかシュールな存在。

深夜に働く人たちから、眠気醒しのドリンクと、明日の行動食とカップラーメンまたは菓子パンと、今夜寝る前に飲むビールを買って車に乗りこみ、軒も下がるような時間にふたたび登山口へ向かって出発します。

遠のくエンジンの音のあとに残るのは、虫が鳴く音だけ。