予備日とエスケープルートはありますか?

アミューズトラベルの万里の長城ツアー日程。最後の日まで予備日はない。
万里の長城で、トレッキング中の日本人3名が亡くなられました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

それにしても、アミューズトラベルは、トムラウシでの大量遭難のあと、また原因が同じと思われる過ちをなぜ繰り返してしまったのでしょうか。

今回の遭難の詳細はまだわかりません。

でも、前回の遭難と似た状況はあります。
移動型のトレッキングであるにも関わらず、ツアーの日程に予備日がないのです。

このほかのアミューズトラベルの人力移動型ツアーも、実質的な予備日の設定がないようでした。

もし、定着型のトレッキング、つまり1カ所に滞留して、そこから毎日トレッキングに出かけて帰ってくるのであれば、天気が悪い日や体調不良のときには出発しないだけですみます。
しかし、A地点からB地点に進むしか帰る方法がない移動型のトレッキングは、天候の悪化や参加者の体調不良そのほかの不可抗力で当初の予定がこなせないときには、予備日を設けていないといきなり「王手」がかかってしまいます。
日本に帰れないだけならば、あとはお金でなんとかなりますが、自然のなかだと自分の命をやりとりすることになりかねない究極の王手になる恐れがあります。

もし、経費の関係上、予備日を設けられないならば、エスケープルート(なんらかの都合で行程が当初予定どおりに進まない場合の脱出経路)が設定されている必要があります。
各日の予定がこなせない場合は、出発地に向けて戻るか、別の経路で安全な場所まで脱出するか、あるいはチャーターしたバスなどでその日の人力移動分の行程を取り戻すか。
方法は現地の状況に応じていくつかあるでしょうが、これが決まっていないことはないと思います。

この遭難では予備日を使って悪天時に行動を自粛したとか、またはエスケープルートを使ったようすがいまのところ伺えないのが現状です。
これは、トムラウシの遭難と構図的に同じです。

もし、大自然のなかを自力移動する「移動型」のアウトドアアクティビティに参加する場合は、万一のときに
・予備日が設定してあるか?
・各日にエスケープルートがあるか?
がその活動の安全性を確認する指針になるでしょう。
エスケープルートはふつう募集パンフレットには出ていないでしょうから、主催する旅行会社に確認してみましょう。

自分で山行の計画を立てるときにも、このふたつはつねに念頭に置いてみてくださいね。