「はじめての島キャンプ@式根島」無事終了。

虫網持った子たちがいつも先頭を勇んで歩いていました。
シルバーウイークのうち9/20(日)夜から23(水・祝)まで、9名のご参加者(うち年長から小4まで5名)と、野外塾スタッフ3名(うち高校生のボランティアスタッフ1名)あわせて12名で伊豆七島の式根島でキャンプを実施し、無事終了しました。

式根島は周囲12kmととても手頃な大きさの割に、手つかずの自然がいっぱい残っています。小さな島とはとても思えないくらい奥深いのが魅力だったので、活動地に選びました。
絶好の好天に恵まれたので、キャンプ場が混んでいることを除けばテント生活も楽だったし、島内を巡るのにも大助かりでした。

【9/20夜〜21】
竹芝客船ターミナルを初日の深夜に出港し、いちばん深い眠りの時に容赦なく全室点灯で起きれば、もう朝焼けの大島が眼前に広がっていました。
大島からは1時間刻みで利島、新島、式根島へと船が回り、島好きたちは甲板でわくわくしているうちに寝不足の頭がすっきりとしてきます。

この時期の大型客船は8時に式根島に着くので、式根島に着いた日は朝からたっぷり行動できました。
港から歩いて20分、大浦キャンプ場でテント設営したあとは、水遊び道具も持って島の西側へ。
中の浦の透きとおる海で遊んだあとは景色がどーんと開けるカンビキ展望台を経由し、さらに360度の視界が開ける丸山へ。
ここまでの島道は南国らしい植物に覆われていてエキゾチック。

あるお父さんがおっしゃっていました。
「そんなに苦労しなくてこの景色を見られるのは本当にいいなあ」と。
小1の女の子を連れてきてくださったこのお父さんにとって、確かにポイント高かったのでしょう。

式根島は伊豆諸島のうちでは真ん中くらいにありますから、八丈島、青ヶ島を除くほかの島々がよく見えます。
名前をきいたことがある島々の他に、存在感ある無人島が点々としていますから、まさに「島々がつらなる」というダイナミックな感じを受けます。
キャンプ初日の夜は満点の星々がきらめき、それらがまるで大洋のなかの島々のようにも見えました。

【9/22】
朝食後に作ったサンドウィッチを携えて、今日もまずは海へ。島東部にある、あまり知られていない海岸がこの日の最初の目的地。
ここは絶壁に囲まれた要塞のような無人島「早島(はんじま)」が真正面に見えて凄みがあります。
カラスに食糧を狙われながら泳いだり崖に登ったり。

すっかり体が冷えた頃、参加者全員が「行ってみたーい!」と希望した地鉈(じなた)温泉へ移動。
海に向かって大鉈をふるったような窪地に沿って延々と降りると、岩場の地鉈温泉に着きます。
湧き出た後に海に向かって流れる源泉は熱すぎるため、海水が満ちてほどよく混ざらないと楽しめないのです。波とともに海水が入ってきて「ひー、冷たい!」、波が引いて岩場に源泉が流れ込むだけになると「あっぢー!」という感じ。
満潮時間を調べて狙ってきた甲斐があって、だんだん塩梅がよくなり、2時間くらいもいたでしょうか。
その後、島西部の隈の井、唐人津城とよばれる視界が開けた特徴ある地形を巡りましたが、ちょうど日が傾きかけていて好評でした。

見渡す限りだれもいない荒れ地のむこうに広がる大海原へ日が傾くようすはみなさんの心に残ったようです。
帰り道は、闇が迫る山林のなかをきいたことがないような鳥の声を耳にしながら追われるように歩いたので、舗装道路に出たときには正直ほっとしました。
キャンプ場に戻ったのはちょうど海に日没するときで、多くのキャンパーがそのようすを座ってみていました。

【9/22】
翌朝はまた竹芝への長い船旅です。
たっぷりと朝食をとって撤収に追われればあとは出港を待つだけ。
式根島もシルバーウィークの喧噪から解放されて、静けさを取り戻したことでしょう。

地球野外塾のキャンプは基本的にテント泊・自炊。
ちょっと前までは、大型タープの中でみんないっしょになって寝ていました。
今回は3張のテントを使いましたが、そんな雑魚寝のキャンプがなつかしくもありました。

年長さんや小1の子どもたちもいたこのキャンプですが、小さな子たちもてくてく、てくてくとよく歩きました。
自分が小さな頃はこんなキャンプなんてしたことありませんでしたが、彼らがこうした体験をどのように消化するのか、興味深いところです。

 おうちでお留守番をされていたお母様から、後日メールをいただきました。
「また行きたいなー、また行きたいなー」と何度も口にして、式根島でのことをポツリポツリと話して聞かせてくれています。
一日中歩き続けることができたそうで、私も驚いています。
常々、子供の力を見くびってはいけないと自分に言い聞かせてはいましたが、外に出してみることでお友達や環境のパワーをもらって、更に予想もしなかった力が出るのでしょうね。
ありがとうございました。


地球野外塾以外のキャンプは子供だけの参加でどんな顔で活動していたのかあまり伺えなかったのですが、今回写真をたくさん撮っていただき、成長した姿が見られてとってもありがたいです。
秋には学校で高尾山登山があるのですが、心配皆無で送り出せます。

4年生になるまではまだ一人では参加させていただけないようなので、それまでに自分の身の回りのことが全てできるように実地訓練させておきますね。
学校や、近所の友達にも紹介させてください。
また主人と二人でお世話になりことがあると思います。
その際も、どうぞよろしくお願いします。

楽しかったのはもちろんですが、「自分は役に立てる」という自信をたっぷりと持って帰りました。今後の一生の宝になることでしょう。
帰宅後は、地図を広げていろんな話をしてくれました。

キャンプにご参加いただいたお母様からもメールをいただきました。
キャンプでは大変お世話になりました。
お天気に恵まれ、島の山と海の最高のスポットを次々と堪能でき、おかげさまでとても充実した3日間でした。

最後にみんなで一番楽しかったところを発表するとき、息子達も私も唐人津城と答え、親子で一緒だったのだな~と笑ってしまいましたが、本当にあそこの夕日は素敵でした。
海も空も、青というよりは白くて、どこか別世界の崇高な場所に訪れたような気持ちになりました。
きっと、私は死ぬ前にあのサンセットの景色を思い出すんじゃないかと思いました。

あそこで石を何度も投げて笑う子ども達がなんと楽しそうだったことか。
子どもが子どもらしく遊ぶ姿が微笑ましくて、時が経つのを忘れてしまいそうになりました。

海も空もきれいで、温泉も初めて入る真の天然・自然のお湯(水?)で何もかもが初めての感動ばかりでした。
なんといってもアシタバ摘み(笑)楽しくて中毒になりました。
こちらに帰ってからも、道端に生えていないかキョロキョロしてしまっています。(あやしい)
最終日に摘んだアシタバは、結構な量だったのでその日の夜、半分はにゅうめんのおつゆに入れ、残りの半分は天ぷらにして塩をふっていただきました。
留守番をしていた夫も一番上の息子も「おいしい!」と喜んでいました。
キャンプに行った二人の息子はもう食べないかと思いましたが、留守番組と同じ量をあっという間にたいらげました。

寝袋で寝たことも、子供だけのテントで過ごしたことも、息子たちのいい経験となったと思います。
ご飯も毎食とても美味しかったです。
今後、私が手を出しすぎずに、ああいう場でもっと適応しててきぱき動けるように、家庭でも接し方を考えなくてはと思いました。
息子達もまた参加したいと言っています。
またいつかどうぞよろしくお願いします。

子どもたちはみんな「疲れた」とも言わず本当に元気によく歩きました。

ご参加いただいたみなさま、キャンプ場の管理人さん、親切にしてくださった島のみなさま、そしてサポートしてくれた野外塾育ちの金子源君、本当にありがとうございました。
すばらしい式根島、もっと人が少ないときにまた行きたい。
3月はひとも少ないオフシーズンだから、またみなさんとご一緒したいものです。

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